病傷平癒・災難厄除の大神
淳和天皇の皇女、崇子(たかこ)内親王の疱瘡が、春日大神様のご威光で快復されてより、皇室から病傷快癒や災難厄除けの守護の神と崇められてまいりました。
仁明天皇(承和五年七月)、後桃園天皇(安永三年七月)、仁孝天皇(寛政十二年二月)、敏宮(天保元年十二月)和宮(弘化三年閏五月)、孝明天皇(慶応二年十二月)等
ご祈祷を命ぜられてまいりました。
現在でも、皇室の崇敬厚く、全国から病傷平癒などを願い祈祷や守礼を受ける参拝者が多く、祈願成就の御礼札の数からもご神徳の尊さが伺えます。また、建御賀豆智命が白鹿に乗り、鹿島からの長い旅路をつつがなく終え、春日の宮居に鎮まられたことから交通安全・旅行安全を祈る「鹿島立ち」の信仰があります。
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病傷を癒すという伝説の霊石「疱瘡石」
平安のはじめ、淳和天皇の皇女、崇子内親王が天然痘(疱瘡)を患われたとき、この石に祈願をされたところ、石が代わりに疱瘡を生じ、たちどころに内親王の病は治ったとのこと。
そしてそれ以来、神前の「霊石」は「疱瘡石」と呼ばれ、世の人々は病の平癒を願ってこの石を拝するようになりました。
また都に疫病がはやる前には必ずこの石の表面がぬれたそうです。
このようなご由緒とご利益のある「疱瘡石」。暫く所在が確かでなかったのですが、数年前に偶然発見されました。広くみなさまに拝んでいただこうと、一日、十一日、十五日に、本殿内で公開致しております。
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旅行安全・還来成就の守り神「還来(もどろき)神社」
貞観十六年四月十九日、淳和院が火災となり、正子内親王は火難を避けるため、松院逃れられました。
その後、洞裏院に無事還御され「洞裏院が類焼を免れ、無事還り来るは是れまったく神の加護である」と仰せられました。
故に後世還来の大神と称えられ、現今旅行の安全を祈る「還来信仰」として崇敬する人があとをたちません。
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神石「梛石」
御神前の神石「梛石」には、旅行するものが撫でて無事に還来成就をなし、厄年の者や病弱者は撫でて厄除、健康の回復、病傷平癒を祈る習慣があります。